部会長からの挨拶 (2016.7-2019.3)

接触場面と言語管理部会 高 民定

近年、日本には多様な言語背景をもつ外国人居住者が増えてきており、彼らが参加する接触場面をめぐる言語問題と言語管理はますますと複雑で多様化しています。それだけ、今後、接触場面研究が注目しなければならない視点や課題も増えていることだと思われます。

「接触場面」という用語が言語管理研究だけではなく、関連する研究分野においても広く使われるようになった今であるからこそ、改めて接触場面の用語や研究の意義を振り返りながら、多様化する接触場面研究の課題と向き合うことはとても大事なことであると思います。

「接触場面と言語管理」部会では、今後、これまでの接触場面研究の問題意識や課題を振り返りながら、またこれまでのように周辺の多様な理論や研究とも向き合いながら、さらに、研究を発展させていくための様々な研究活動や提案を展開していきたいと考えています。皆様からの接触場面研究や部会活動についてのご意見やご提案もお待ちしていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

言語政策と言語管理部会 木村護郎クリストフ

日本の言語政策研究は、これまで、国家や自治体など、政府・行政レベルの取り組みの研究が中心でしたが、近年、現場の実情をふまえた、ミクロな視点を(あわせ)もつ言語政策研究の意義が強調されるようになっています。

まさに、マクロ偏重の言語政策研究への疑問から生まれたという側面をもつ言語管理の理論の出番です。

しかし、言語管理の研究において言語政策にまでつなげる研究はまだ少なく、大きな発展の余地があります。

この部会では、萌芽的に表れてきている、現場重視の言語政策研究を言語管理の発想や研究の蓄積とつなげて育てていくことを目指したいと思います。

「部会」という名称にはなっていますが、分派活動をするつもりではなく、いろいろな観点から他の部会や関心をもつ人たちと協力して全体として言語管理研究を発展させることができればとおもいますので、どうぞご協力・協働よろしくおねがいいたします。

言語教育と言語管理部会      加藤好崇

かつて故ネウストプニー先生が日本から来たモナシュ大の大学院生たちに、「自分のことをたくさん話す先生はいい先生です」とよくおっしゃっていました。これは学習者にとって日本人との実際の「インターアクション」が大切であることを意味していたと思います。

「インターアクション」、この用語が本部会のキーワードの一つになると考えます。しかし、グローバル化が進み、変容していく社会の中では、この「インターアクション」の意味も変わって行かざるを得ません。同時に「インターアクション能力」、インターアクション能力の習得に向けた「インターアクション教育」も新しい視点で考察していく必要があるでしょう。

社会の変容はもう一つの大きなキーワード、「接触場面」にも影響します。もはや誰にとっても接触場面が珍しいことではなくなった現在、学習者のカテゴリーも、さらには「教育」ということばさえも従来とは異なる枠組みが必要になるかもしれません。

本部会では、この「インターアクション」「接触場面」を二大キーワードとし、日本語教育の発展に寄与していきたいと考えています。