- 「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」開催のお知らせを掲載しました。(2023.3.8)
- 言語管理研究会「言語政策と言語管理」分科会公開研究会開催のお知らせを掲載しました。(2023.1.20)
- 日本言語政策学会特定課題研究会「多言語社会の言語政策のための組織言語マネージメント研究会」公開研究会のお知らせを掲載しました。(2022.12.04)
- 「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」研究発表募集のお知らせを掲載しました。(2022.10.26) → 発表応募締め切りを延長しました。(2022.11.29)
- 2022年度 言語管理研究会「言語教育と言語管理」分科会開催のお知らせを掲載しました。(2022.9.1)
- 2022年度 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会第1回開催のお知らせを掲載しました。(2022.5.7)
- ビョルン=ホルガー・イェルヌッド先生の80才の誕生日を祝してを掲載しました。(2022.5.6)
- 言語管理研究会「言語政策と言語管理」分科会、2021年度研究会開催のお知らせを掲載しました。(2022.2.11)
- 2021年度 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会第3回開催のお知らせを掲載しました。(2022.1.13)
「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」開催のお知らせ
言語管理研究会では、「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」を下記の要領で開催いたします。お誘いあわせの上、ふるってご参加ください。
日時:2023年3月26日(日)10:00-17:50(受付開始9:30)
会場:千葉大学・西千葉キャンパス(ハイブリッド開催)
アクセス:https://www.chiba-u.ac.jp/access/index.html
参加費:1,000円
主旨:
Covid-19を根拠にしたここ数年の規制は人の移動のみならずコミュニケーションの在り方にまで及んでいる。多言語社会の在り方や人々の意識の持ち方は短期的そして長期的にどのように変容してきたのか。言語問題という問いかけは常に誰にとっての問題であるかが問われるが、今こそ個人、コミュニティ、政府などの多様なレベルにおける、多言語社会の言語問題、そして言語問題に対する人々の営みについて、隣接諸領域の研究者のあいだで共有していくことが重要と考えられる。本シンポジウムは、以上のような問題意識のもと、広く学際的交流を求める研究者たちの饗宴としたい。
プログラム:
9:30 受付
10:00-10:10 開会の辞
10:15-12:15 研究発表(セッション1、2)
12:15-13:50 ランチ
13:50-15:50 研究発表(セッション3、4)
15:50-16:10 コーヒーブレイク
16:10-17:40 パネルセッション
17:40-17:50 閉会の辞
参加方法:
・参加を希望される方は、3月23日(木)までに、下記のフォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/SgcNwHFF4biKaEHv9
現地参加の方のみ、当日の参加受付もいたします。
・オンラインでの参加は、ライブ配信をご視聴いただく形式となります。オンラインからの音声での質疑応答はできません。
お問い合わせ:言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
主催:言語管理研究会 https://lmtjapan.wordpress.com/
研究発表プログラム:
<セッション1> 10:15-12:15〔マルチメディア会議室(2F)〕
Identity Negotiation During Long-term Study Abroad in the Digital Age: A Case Study of Multilingual Chinese Graduate Students in Japan
ZHANG Lanzhen(Ritsumeikan University)
ケーススタディ:高校生ホームステイにおける異文化間インターアクション:留学生、ホスト双方の視点からの社会言語的、社会文化的問題点
川島真由美(上智大学)
避難民の言語使用の実態:在日アフガニスタン人の事例から
アキバリ・フーリエ(白百合女子大学)
場面別にみる大学生の多言語環境:ウェブアンケート調査から
高木千恵(大阪大学)・福永由佳(国立国語研究所)・三井はるみ(國學院大學)・鑓水兼貴(国立国語研究所)・吉田さち(跡見学園女子大学)・高橋朋子(近畿大学)
<セッション2> 10:15-12:15〔マルチメディア講義室(1F)〕
国会議事録に見る「多文化共生」と日本語教育
東平福美(東京大学)
日本の複言語主義と外国語教育における能力記述:英中西語を中心に
樋口拓也(立教池袋高等学校)・平山邦彦(拓殖大学)・河原清志(拓殖大学)
在日中国朝鮮族の日本語接触場面におけるスタイルシフトと言語管理:初対面会話のケーススタディー
玄香花(千葉大学大学院生)
オンライン接触場面における言いさしと相互行為
高民定(千葉大学)・崔英才(淮陰師範学院)
<セッション3> 13:50-15:50〔マルチメディア会議室(2F)〕
上司から部下へのからかいによって強制された応答連鎖:日本の職場における事例から
高橋亜里沙(千葉大学大学院生)
中国における派遣日本語講師の葛藤:高等学校への日本語教育導入の現状と課題
ソ セキ(立命館大学)
移民教師による児童の日本語の発話の繰り返し:多言語を使った言語社会化
山下里香(関東学院大学)
規範の意味付けプロセスにおける言語管理:日本企業で働く元外国人交換留学生の事例から
武田誠(早稲田大学)
<セッション4> 13:50-15:50〔マルチメディア講義室(1F)〕
主観的ウェル・ビーイングと言語管理:2人の中国系移民の語りからみるオーストラリアの多文化社会
サウクエン・ファン(神田外語大学)
海外帰国者の日本語使用と言語管理:日本から帰国した韓国人の事例
今千春(明海大学)
国際結婚家庭における外国人配偶者の言語管理
阿久津千春(千葉大学大学院生)
外国人住民の言語問題の多様性を可視化する:日本語リテラシー調査からの一考察
村岡英裕(千葉大学)・高民定(千葉大学)・玄香花(千葉大学大学院生)
言語管理研究会「言語政策と言語管理」分科会公開研究会開催のお知らせ
参加登録者数が定員に達しましたので受付を終了させていただきます。
以降、キャンセルが出た場合にご連絡をさしあげますので、参加ご希望の方は以下にメールでお知らせください。
jsaruhashi@aoyamagakuin.jp

青山学院大学国際研究センターでは、公開研究会「言語政策研究におけるミクロとマクロの接続と連環――言語管理理論とリズムアナリシス」を開催いたします。以下プログラムをご参照の上、ふるってご参加ください。事前登録制となっております。
日時:2023年3月11日(土)13:00~17:30(開場12:30)
会場:青山学院大学アスタジオ・地下1階小ホール
参加費:無料・要事前登録(先着50名)
お申し込み:http://bit.ly/3kjR4bL
お問い合わせ:猿橋順子(jsaruhashi@aoyamagakuin.jp)
感染防止のために、ご来場の方々には、マスク着用、入口での検温、手指消毒などのご協力をいただきます。プログラムは予告なく変更になる場合がございます。
【プログラム】
13:00~15:00
第1部 ミクロとマクロの言語管理の複雑系を紐解く
(言語管理研究会・言語政策と言語管理分科会)
研究発表①:ユニバーサル・ミュージアムの言語管理 ミラー成三
研究発表②:言語管理におけるミクロとマクロの分離と再結合 上村圭介
コメント 広瀬浩二郎
15:30~17:30
第2部 伝統文化伝承・実践の越境にみる言語政策的諸相
(日本言語政策学会・特定課題研究)
ゲストトーク「ウォーキング・イズ・ワーキング:「ユニバーサル」の原点は平曲・瞽女唄にあり!」 広瀬浩二郎
対談「韓国伝統音楽のリズム」 李昌燮(聞き手:猿橋順子)
研究発表③:言語と社会のリズムアナリシス試論 猿橋順子
【開催の趣旨】
言語政策研究やディスコース研究において、対象をミクロレベルとマクロレベルに分け、その接続や連環を探究する数々のアプローチがある。ミクロとマクロは、発話と言語・規範、個人と国家・制度、場面と社会・文化、スモールトークとグランドナラティブなど、さまざまに措定される。一般的に、こうした分析手法には、ミクロレベルへの注目がマクロレベルの変容を説明したり促したりすることへの期待がある。それは、マイノリティとマジョリティ間のパワーの偏在を見定め、それを是正する道を探ることにも通じている。本研究会では、言語管理理論およびリズムアナリシスを用いた経験的研究事例をもとに、ミクロとマクロの接続や連環がどのように見いだされるかを提示する。複雑化・多元化する社会において、ミクロとマクロの複雑系を探究する言語研究の意義を再考する機会としたい。
【ゲストプロフィール】
広瀬浩二郎(HIROSE Kojiro)国立民族学博物館准教授。文学博士。専門は日本宗教史、触文化論。全盲の文化人類学者としてユニバーサル・ミュージアムの提唱と実践に取り組んでいる。主著・近著に『触常者として生きる:琵琶を持たない琵琶法師の旅』(2020年、伏流社)、『世界はさわらないとわからない:「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か』(2022年、平凡社)等がある。
李昌燮(イ・チャンソプ/LEE Changseop/이창섭)韓国打楽器奏者。在日韓国人三世。1995年渡韓。打楽器を主体とした韓国伝統音楽サムルノリを追求すべく、創立メンバーである李光壽氏に師事する。2001年より東京を拠点に日本各地で演奏と指導にあたる。音楽公演企画・出演のほか、映画や演劇などジャンル横断的に活動。一般社団法人民族音樂院代表理事。韓国社団法人民族音樂院日本支局長。
【研究発表要旨】
研究発表①「ユニバーサル・ミュージアムの言語管理」
ミラー成三(青山学院大学)
言語管理理論は、インターアクションにおけるミクロなレベルから、言語政策や組織管理のようなマクロなレベルにいたるまで幅広く扱うことができるとされている。本発表では、ユニバーサル・ミュージアムの提案と実践の事例分析を元に、マクロな言語管理がどのように行われているか、またそこにいたるまでのミクロな言語管理がどのように個人の中に蓄積されていったのかに焦点を当て、特に近年において議論が活発になってきているミクロとマクロの接続について考察を行う。
研究発表②「言語管理におけるミクロとマクロの分離と再結合」
上村圭介(大東文化大学)
言語管理理論は、談話中に生じた問題の処理といった話者のレベルの単純な言語管理だけでなく、言語政策のような組織的な言語管理も、規範からの逸脱を起点にしたプロセスモデルによって扱う。しかし、単純管理と組織的管理を同じモデルによって説明することは、両者の間にある重要な違いを見逃すことにもつながりかねない。本発表では、管理プロセスの主体という点から単純管理と組織的管理の違いを検討し、その上で両者の再統合を試みる。
研究発表③「言語と社会のリズム分析試論:韓国伝統音楽奏者の活動を事例として」
猿橋順子(青山学院大学)
トランスナショナル化する都市の複雑系に分け入る方法のひとつとして、アンリ・ルフェーヴルのリズムアナリシスが都市空間の理解や都市計画の展望に示唆を与えてきた。本研究は、東京を拠点とする韓国伝統音楽・打楽器奏者の活動へのエスノグラフィー調査に基づき、リズムアナリシスの諸概念と枠組みに照らして報告する。特にミクロとマクロの接続や連環に注目し、言語政策のボトムアップアプローチへの援用可能性を検討する。
【発表者略歴】
ミラー成三 青山学院大学国際政治経済学部非常勤講師。博士(学術)。外国と繋がる人々のアイデンティティ、接触場面研究を主要な研究テーマとしている。
上村圭介 大東文化大学外国語学部日本語学科教授。博士(学術)。言語政策論、インターネットガバナンスなど、言語、政策、技術に横断的に関わる問題を主要な研究対象とする。共著書に『今そこにある多言語なニッポン』(2020年、くろしお出版)、『外国語教育は英語だけでいいのか』(2016年、くろしお出版)がある。
猿橋順子 青山学院大学国際政治経済学部国際コミュニケーション学科教授。博士(国際コミュニケーション)。移民の言語とアイデンティティ、地域コミュニティの言語政策を研究テーマとしている。主著に『国フェスの社会言語学:多言語公共空間の談話と相互作用』(2021年、三元社)がある。
日本言語政策学会特定課題研究会「多言語社会の言語政策のための組織言語マネージメント研究会」公開研究会開催のお知らせ
日本言語政策学会2022年度特定課題研究会「多言語社会の言語政策のための組織言語マネージメント研究会」(代表:サウクエン・ファン)は、言語管理研究会との共催により、このたび下記の次第で公開研究会を開催することになりました。両学会の会員のみなさまはじめ、多くの方のご参加をお待ちしています。
【公開研究会】
「B. H. イエルヌッド先生を囲む公開研究会:60年代言語計画研究の萌芽期からコロナ時代へ」
開催趣旨:
イエルヌッド先生は今年傘寿を迎えられました。副題にあるように「60年代言語計画研究の萌芽期からコロナ時代へ」について、ワシントンD.C.とZoomでつないで、公開研究会を開催します。60年代と言えば先生はまだ20代前半の若さでした。そこからどのように研究者グループのなかで切磋琢磨し、言語計画そして言語管理の研究をされてきたのか、そしてコロナ時代の現在どのような関心をお持ちか、などリラックスした雰囲気のなかで伺っていきます。先生から見ればほとんどの参加者が若手となるわけですが、お話いただくアカデミズムの経験や思想は後に続く研究者にとって貴重なお話になることと思います。
多くの方々にぜひご参加いただければ幸いです。
開催日: 2022年12月11日(日)午前10:30~12:00 ZoomによるOnline開催
対 象: 日本言語政策学会会員のみなさま・言語管理研究会MLメンバーのみなさま
参加費: 無料
使用言語:インタビュー部分は英語、ほか日本語・英語
参加申込:Googleフォーム(下記URL)からお申込みください
https://forms.gle/pzuh8zTLiex27hD49
申込締切:2022年12月8日(木)←申し込みを締め切りました。
※お申込みいただいた方に、Zoomのリンクおよび関連の資料を研究会前日(12月10日 土曜日)までにお知らせします。
研究会のプログラム:
●セクション1:研究者イエルヌッド先生へのオマージュ(日本語また英語)
●セクション2:イエルヌッド先生へのインタビュー(英語)
●セクション3:Chatによる質問・コメントコーナー(日本語または英語)
B. H. イエルヌッド先生紹介:
Björn H. Jernudd was a member of the team that formulated language planning theory and conducted an international research project on language planning processes in the 1960s and early 1970s. He continued studying behavior toward language and together with J. V. Neustupný laid the foundation for language management theory. He has held positions at Monash University, Melbourne, with the Ford Foundation in the Middle East, at the East-West Center in Honolulu, and at the Hong Kong Baptist University; and as a visitor at the National University of Singapore, among other places. He was also working on the For and Birgid languages of Darfur, Sudan.
参考資料(事前購読不要):
Rubin, J. & B. H. Jernudd (eds.) (1971) Can Language Be Planned?: Sociolinguistic Theory and Practice for Developing Nations. University of Hawaii Press.
Rubin, J., Jernudd, B. H., Das Gupta, J., Fishman, J. A. & Ferguson, C. A. (eds.) (1977). Language Planning Processes. The Hague, Paris, New York: Mouton Publishers.
【特定課題研究会「多言語社会の言語政策のための組織言語マネージメント研究会」について】
言語と言語行動に対する意図的な介入や統制については一般的に「言語計画」という用語によって研究されることが多い。「言語計画」はさらに「言語政策」の形態によって実現される。その一方で、あえて「language planning」の代わりに、「language management」という用語を戦略的に用いる先行研究もある。たとえば、Spolsky(2004:5)は「language management」を「言語の実践を変更または影響を与えるための特定の努力」と定義づけており、言語政策に関する理論構築の3つの構成要素の1つと主張している。1980年代にさかのぼって、言語生成と受容を管理するメタ言語活動を研究対象として、具体的な理論を展開させたLanguage management theory(言語管理理論, Jernudd & Neustupný 1987)も周知のとおりである。
本特定課題研究会では、多言語社会という複雑な社会的ネットワークに焦点を当てるために、戦略的な言語計画の1つの段階として、組織による言語のマネージメントを扱う。
「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」研究発表募集のお知らせ(締め切り延長)
言語管理研究会では、「多言語社会と言語問題シンポジウム2022-2023」における研究発表を募集いたします。発表を希望される方は以下の要領をご参照の上、ふるってご応募ください。
※ 応募締め切りを2022年12月7日(水)に延長いたしました。
開催日:2023年3月26日(日)
会場:千葉大学・西千葉キャンパス(ハイブリッド開催)
※ オンサイト(現地会場)での発表を基本としたオンサイト・オンラインのハイブリッド開催を予定しています。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により開催形態を変更する場合があります。
主旨:
Covid-19を根拠にしたここ数年の規制は人の移動のみならずコミュニケーションの在り方にまで及んでいる。多言語社会の在り方や人々の意識の持ち方は短期的そして長期的にどのように変容してきたのか。言語問題という問いかけは常に誰にとっての問題であるかが問われるが、今こそ個人、コミュニティ、政府などの多様なレベルにおける、多言語社会の言語問題、そして言語問題に対する人々の営みについて、隣接諸領域の研究者のあいだで共有していくことが重要と考えられる。本シンポジウムは、以上のような問題意識のもと、広く学際的交流を求める研究者たちの饗宴としたい。
参加費:1,000円(支払い方法は後日お知らせします)
発表資格:
言語管理研究会メーリングリスト・メンバー(メーリングリスト未登録で発表を希望される方は応募時にメンバー登録を済ませてください。本研究会への入会費・会費はすべて無料です。)
共同発表を行う場合には、少なくとも代表者1名がメンバーであることが必要です。
発表内容:
広く「言語問題」と「言語に対する人々の営み」(Behavior towards language, Fishman)に焦点を当てた研究発表とします。接触場面研究、言語政策、移民の言語問題、言語教育と言語習得、多様な言語背景をもつ人々のアイデンティティ、言語管理理論、等、具体的な実証研究から理論的な論考まで幅広く募集します。なお、発表は未発表のものに限ります。
発表形式:口頭発表(単独または共同発表)
使用言語:日本語または英語
応募方法:
以下のGoogleフォームに必要な情報をご記入の上ご応募ください。研究会メーリングリストへの登録申し込みも同じフォームからしていただけます。
応募フォーム: https://forms.gle/QVpHCDyERCUMSgFY6
応募締切:2022年11月30日(水) 2022年12月7日(水)
採否通知:応募された発表について審査を行い、採択の結果を2022年12月末をめどにご連絡します。
問い合わせ先:シンポジウム事務局 slm.gengokanri@gmail.com
主催:言語管理研究会 https://lmtjapan.wordpress.com/
2022年度言語管理研究会「言語教育と言語管理」分科会開催のお知らせ
言語管理研究会では「言語教育と言語管理」分科会を下記の通り開催いたします。みなさまお誘いあわせの上、ぜひご参加ください。
日時:2022年9月24日(土) 15:00-18:00
開催形態:Zoomを利用したオンライン開催
参加費:無料
参加申込:参加を希望される方は、下記URLよりお申し込みください。
https://forms.gle/ZaRVkewQ2J7JWhXV8
参加申し込み締め切り: 9月21日(水) 23:59
分科会のテーマ:
オンラインを経た日本語授業における教師の言語管理
分科会の趣旨:
2020年のコロナ禍発生以降、教育現場の様相は劇的に変わった。大学教育においては基本的にオンライン授業となり、現場の教師は試行錯誤を繰り返しながら、授業を成立させるべく対応してきた。2022年度現在、各大学でも少しずつ対面化の動きが進んでいる。しかし、いまだ完全に対面に移行したわけではなく、オンラインやハイブリッドの授業があったり、さらに学期中にハイブリッドから対面への移行があったりなど、授業形態は多様である。
本分科会主催の研究会では、2021年度、コロナ禍におけるオンライン授業において留意された問題に対し、教師がどのように評価し、調整を行ったかについてCoulthard(1985 = 吉村他訳1999)のIRF理論を採用し、分析を行った。その結果、教師が対面の授業で期待するIRFがオンライン授業では成立しづらく、学生の反応のわかりにくさを教師が否定的に評価していたことが明らかになった。
2022年度の分科会主催研究会では、上記のような経験を経た教師が4つの授業形態(オンライン授業、ハイブリッド授業、ハイブリッドから対面へ移行した授業、対面授業)においてどのように言語管理を行っていたのかを分析する。これにより、ポストコロナの日本語教育への示唆を探ってみたい。
プログラム:
15:00-15:20 趣旨説明
15:20-16:40 事例紹介
オンライン授業:・中山由佳(山梨学院大学)
ハイブリッド授業:大場美和子(昭和女子大学)
ハイブリッドから対面へ移行した授業:竹内明弘(国際大学)
対面授業:今千春(明海大学)・横須賀柳子(国士舘大学)
16:40-16:45 休憩
16:45-17:15 意見交換
17:15-17:30 全体共有
17:30-17:45 まとめ
17:45-17:50 閉会、代表あいさつ
参考文献
Coulthard, R. M. (1985).An introduction to Discourse analysis. 2nd edition. London: Longman(吉村昭市・貫井孝典・鎌田修訳. (1999). 談話分析を学ぶ人のために. 世界思想社)
主催: 言語管理研究会「言語教育と言語管理」分科会
お問い合わせ: 言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
研究会ウェブサイト: https://lmtjapan.wordpress.com/
2022年度 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会第1回開催のお知らせ
言語管理研究会では「接触場面と言語管理」分科会の第1回を下記のとおり開催いたします。皆さまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
日時: 2022年5月28日(土) 13:30-15:30
開催形態: Zoomを利用したオンライン開催
参加費: 無料
参加申し込み: 下記のURLよりお申し込みください。
https://forms.gle/8BrkWoa9P7omMRB48
参加申し込み締め切り: 2022年5月25日(水)
分科会全体テーマ:
「多文化社会における接触場面の接触性を考える」
概要:
2019年度まで本分科会では、変容する接触場面をテーマに研究上の問題提起と方法論を中心に扱ってきた。2020年度から(結果的に今年度)新たなテーマとして、多文化社会で起きうる接触場面の成立要件の1つである接触性のあり方を考えていく。
インターアクション場面の接触性には言語による外来性が大きくかかわっていることはもちろんであるが、メッセージの内容が完全に通じていても(いわゆる命題的な逸脱がない場合でも)、接触性が参加者に留意される限り、接触場面は成立し、言語管理が行われる可能性がある。
日本においては、外国人との接触が増えてきた今こそ、ホスト側にいる日本人はどのようにさまざまな「日本居住者」にアプローチしようとしているか、また、ゲスト側は長期滞在によってホスト社会に対する見方がどう変わるのか、接触性のジェネレーション・ギャップのようなものがないか、などについても検討していく予定である。
話題提供者: 根本浩行(立命館大学)
「接触性に起因するリテラシーとアイデンティティ:言語横断的視座からの考察」
趣旨/目的:
今回の分科会では、海外留学におけるリテラシーとアイデンティティの言語横断的な発達過程を考察し、言語行動の時空的変化や流動性と照らし合わせて接触性を探究する。Nemoto (2022)の日本人大学生を対象とした縦断的研究の事例をもとに、留学中と留学後の様々な社会的文脈の中で学生たちがどのように外来性を留意・評価するか、そしてその留意・評価がどのような言語管理プロセスを導き出すかを考えてみたい。そのうえで、言語管理がリテラシー発達とアイデンティティ変容に与える効果を第二言語と母語の両面から考察し、接触性の新たな洞察へと繋がる糸口を探りたいと思う。
参考資料(事前購読不要):
Nemoto, H. (2022). The investment in managing interests and power through study abroad: Literacy and identities from a translingual perspective. In M. Nekula, Sherman, T., Zawiszová, H. (Eds.), Interests and Power in Language Management. (pp. 267-292). Peter Lang.
ディスカッサント: 竹内明弘先生(国際大学)
主催: 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会
お問い合わせ: 言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
研究会ウェブサイト: https://lmtjapan.wordpress.com
ビョルン=ホルガー・イェルヌッド先生の80才の誕生日を祝して
J.V.ネウストプニー氏と共に、言語管理理論の提唱者であるビョルン=ホルガー・イェルヌッド氏は、1942年5月7日生まれであり、2022年、傘寿を迎える。この機に、言語政策・言語管理分野の研究における多大な貢献をされてきた氏の経歴と功績を、主に言語管理理論(氏の好まれる表現では「言語管理モデル」)の観点から振りかえってみたい。同氏の経歴は、日本との縁が深いネウストプニー氏と違ってこれまで日本であまり知られてこなかった(日本語訳があるのはイェルヌッド2016のみと思われる)。その欠を補う一助になれば幸いである。
イェルヌッド氏は、きわめて多彩な経験の持ち主である。故郷スウェーデンの大学では、言語学と経営学を学んでいる。専攻としてはかなり稀な組み合わせであるが、経営学の知見が、プロセスに注目する言語管理モデルの構想に影響を及したことは想像に難くない。また企画運営に関する氏の関心と知見は、その後の経歴にも生かされている。1962年からウプサラ大学とストックホルム大学の言語学の講師として教歴を積んだ後、氏は、奇しくもネウストプニー氏と同じ1966年より、オーストラリアのモナシュ大学に言語学の講師として着任する。ただし、両氏の最初の出会いは、オーストラリアではなく、ハワイで開催された言語政策に関する研究会であったとのことである(Jernudd 2020: 38)。1974~76年、イェルヌッド氏はフォード財団の専門家として中東・北アフリカ諸国の大学でのアラビア語および英語の研究・教育の振興に従事し、言語政策や言語調査の立案・実行に関わる。1976~1987年、ホノルル(ハワイ)の東西センターでアメリカおよびアジア諸国の政府や学術関係者の共同研究や研修の企画・運営に携わった後、シンガポール国立大学(1987~1991年)を経て、1992年から、香港浸会(バプテスト)大学に移り、言語学の教授として2002年に退職。現在は、アメリカ合州国のワシントンD.C.在住である。言語管理理論の綱領的な論文といえるJernudd & Neustupný (1987)は、ハワイからシンガポールに移る節目の年に刊行されている。
この間、アル=アズハル大学、アレクサンドリア大学(いずれもエジプト)、ハルツーム大学(スーダン)、北京外国語大学(中国)、マラヤ大学(マレーシア)、デリー大学(インド)、ヨルダン大学(ヨルダン)、オーストラリア国立大学、スタンフォード大学(アメリカ)などでも客員教授や客員研究員として滞在し、教鞭をとってきた。またハーグの国際司法裁判所専門家としてスーダンの民族と言語の問題にも取り組んでいる。
研究対象は、談話における調整からコーパス計画としての用語の選定、少数言語保持から国家の公用語・外国語政策まで広範囲にまたがる。現場から出発すること、微視から巨視まで広い範囲を視野に収めることといった言語管理理論の特徴は、氏の幅広い地域での活動と広範な研究対象、大学での研究にとどまらない実務経験の豊富さに裏打ちされているといえる。
言語計画の実務への関わりとともに、イェルヌッド氏の研究姿勢において特徴的なことは、氏の80才記念文でネクヴァピル氏も指摘しているように(Nekvapil 2022)、対話への意欲である。筆者が氏と同席したいくつかの学会で、氏は質疑では必ずといってよいほど真っ先に手を挙げ、積極的に質問をして議論を行っていた。また氏は多くの書評を書いているが、それは対話的営みの氷山の一角にすぎない。表に出ないところで、氏は膨大な議論を行ってきた。筆者と氏の最初のやりとりも、拙著の書評(Matsubara 2008)で言語管理理論の限界についての記述が言及されていたことについて、問い合わせのメールをいただいたことからはじまった。現在も、氏と筆者は研究地域も焦点も大きく異なるにもかかわらず、学会の後には筆者の発表について追加の質問や情報提供をしてくださり、旺盛な探究心と対話への意欲には常に感服させられる。ネウストプニー氏の発案にイェルヌッド氏がいわば食いついて理論的な展開につながった言語管理理論自体、氏の対話意欲に負うところが大きいだろう。
具体的な事例を重視する言語管理理論が、普及という観点から持つ弱点は、重要な理論的な要点が、具体例と絡めて個別論文で散発的に提示されているがために、全体像がつかみにくいということである。これは、ネウストプニー氏にもあてはまるが、イェルヌッド氏の研究にもあてはまる。両氏とも、一般的な形で理論の諸側面をまとめた著作がないのである。現在、言語管理研究会において、ネウストプニー氏の主要論文の選集が準備されているが、イェルヌッド氏についても、まとまって読める日が来ることを願いたい。それまでは、チェコの言語管理研究グループのウェブサイトhttp://languagemanagement.ff.cuni.cz/ja/node/352の文献一覧で検索するのが便利である。私見では、Jernudd 1991, 2000 & 2001, 2009などに氏の言語観の要点がまとめられている。
以上、本稿では、言語管理理論の観点から氏の経歴の概略を追うにとどまったが、学術分野としての言語政策研究の草創期に関わった(Jernudd 1997)氏の功績は、言語管理理論の範囲にとどまるものではない。Rubin & Jernudd (eds.) (1971)、Rubin, Jernudd, Das Gupta, Fishman, Ferguson (eds.) (1977)といった、言語政策論の古典となった書籍を含めて、傘寿を迎えてなお精力的な活動を続ける氏の論文を読むことは、今後も、言語政策論の足場を固めるために重要でありつづけるだろう。
(木村護郎クリストフ・上智大学 教授)
参考文献
Jernudd, Björn Holger & Neustupný, Jiří V. (1987): Language planning: for whom? In: L. Laforge (ed.), Actes du Colloque international sur l’aménagement linguistique / Proceedings of the International Colloquium on Language Planning. Québec: Les Presses de l’Université Laval, 69–84.
Jernudd, B. H. (1991): Lectures on language problems. Delhi: Bahri Publications.
Jernudd, B. H. (1997): The (r)evolution of sociolinguistics. A personal retrospect of the early 1960s. In: Ch. B. Paulston – G. R. Tucker (eds.), The Early Days of Sociolinguistics: Memories and Reflections. Dallas: The Summer Institute of Linguistics, 131–138.
イェルヌッド[Jernudd], B. H. (2016)(ミラー成三訳):「言語に対する行動」『GCIキャンパス・レクチャー』第4号、44-51頁
Jernudd, B. H. (2009): Epilogue. An apology for language management theory. In: J. Nekvapil – T. Sherman (Eds.), Language Management in Contact Situations: Perspectives from Three Continents. Peter Lang, 245–252.
Jernudd, B. H. (2000): Language management and language problems: Part 1. Journal of Asian Pacific Communication 10:2, 193–203.
Jernudd, B. H. (2001): Language management and Language Problems Part2. Journal of Asian Pacific communication 11-1, 1-8.
Jernudd, B. H. (2020): The origin and development of a language management framework. In: G. C. Kimura – L. Fairbrother (eds.), A Language Management Approach to Language Problems: Integrating Macro and Micro Dimensions. Amsterdam – Philadelphia: John Benjamins, 31–48.
Matsubara, Koji (2008): Review. KIMURA Goro Christoph. Gengo ni totte “jin-i-sei” towa nanika? (What Does “Artificiality” Mean to Language? Case Studies of Cornish and Sorbian as Exemplars of Language Construction and Language Ideology). Tokyo: Sangensha. 2005. xvii + 608pp., Language Problems and Language Planning 31:3, 298-301.
Nekvapil, Jiří (2022): Bjorn Jernudd osmdesátiletý [On the occasion of Bjorn Jernudd’s 80th birthday]. Slovo a slovesnost, 83:2, 158-160.
Rubin, J. – Jernudd, B. H. (eds.) (1971): Can Language Be Planned? Sociolinguistic Theory and Practice for Developing Nations. Honolulu: The University Press of Hawaii.
Rubin, J. – Jernudd, B. H. – Das Gupta, J. – Fishman, J. A. – Ferguson, Ch. A. (1977): Language Planning Processes. The Hague: Mouton.
言語管理研究会「言語政策と言語管理」分科会、2021年度研究会開催のお知らせ
言語管理研究会では「言語政策と言語管理」分科会の2021年度研究会を下記のとおり開催いたします。皆さまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
日時:2022年3月12日(土) 14時~16時20分
開催形態:Zoomを利用したオンライン開催
参加費:無料
参加申し込み: 下記のURLよりお申し込みください。
https://forms.gle/sx7BjoWmXWsV7UGe6
参加申し込み締め切り: 2022年3月9日(水)
分科会テーマ:ミクロとマクロの言語管理の複雑系を紐解く
第1回:ユニバーサル・ミュージアムの言語・コミュニケーション管理
~全盲の文化人類学者、広瀬浩二郎さん講演&公開インタビュー~
ゲスト:広瀬浩二郎さん(国立民族学博物館)
【概要】
言語管理を言語政策研究に組み込んでいく際、言語管理をミクロレベルとマクロレベルに分けて整理したうえで、そのつながりを確認することが重要になります。ミクロレベルの言語管理とは、個人レベルの言語管理や、個々の接触場面における即興的な言語管理を指します。マクロレベルの言語管理とは、あらかじめ準備された言語管理や、国家や自治体、企業などによって制度化された言語管理を指します(詳しくは言語政策と言語管理分科会ショートエッセイ2020_21を参照のこと)。言語政策と言語管理研究部会では、こうしたミクロレベルの言語管理とマクロレベルの言語管理がどのように関連しあい、交渉されているのかについて、事例を通して接近していくことを展望しています。
その際、いかに事例に接近しうるのか、という方法論上の課題が浮上します。方法のひとつに、接触場面の最前線で言語問題の発見とその解決にあたられている方々に言語管理をめぐる聞き取りを行うという方法が考えられるでしょう。そこで、今回の研究会では、全盲の文化人類学者であり、視覚偏重の社会において触ることの大切さ、触文化の育成、さわれる博物館の提案と実践を長年にわたって取り組んでいらっしゃる広瀬浩二郎さんをお招きします。(ユニバーサル・ミュージアムの概要については、小さ子社Web連載 第7回「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か | それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!―世界の感触を取り戻すために― (chiisago.jp) を参照のこと。)
このほど、大きな社会的反響を呼び、盛況のうちに幕を閉じた民族学博物館特別展「ユニバーサル・ミュージアム――さわる!“触”の大博覧会」(2021年9月2日~11月30日)を企画し、実行に移されるまでの言語管理の悲喜こもごも、紆余曲折、七転八倒、そこからの創意工夫について、公開インタビューという形でお話をお聞きしていきたいと思います。視覚障がい者と晴眼者(広瀬先生が提唱する触常者と見常者)の接触場面をはじめ、あらゆる関係者間、組織間、ジャンル間に生じる言語・表現・コミュニケーション上の行き違い、コロナ禍で生じる想定外の課題、それらを乗り越え、分かり合い、構想を実行に移すプロセスを追体験し、学びにつなげていきたいと思います。
【参考資料】
言語政策と言語管理分科会ショートエッセイ2020_21
第7回「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か | それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!―世界の感触を取り戻すために― (chiisago.jp)
【プログラム】
司会:上村圭介
14:00 開会
14:05-14:20 趣旨説明「ミクロとマクロの言語管理とその接続」猿橋順子
14:20-14:50 「触文化とユニバーサル・ミュージアム」広瀬浩二郎
14:50-15:40 公開インタビュー「『ユニバーサル・ミュージアム』企画から開催までの言語管理」猿橋順子×広瀬浩二郎
15:40-16:10 続・公開インタビュー 参加者×広瀬浩二郎
16:10-16:20 まとめ
【ゲスト・プロフィール】
広瀬浩二郎(ひろせ・こうじろう)自称「座頭市流フィールドワーカー」。
1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。2001年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。著書多数。近著に『知のスイッチ:「障害」からはじまるリベラルアーツ』(2019年, 共編著、岩波書店)、『触常者として生きる』(2020年、伏流社)、『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』(2020年、小さ子社)等がある。
主催: 言語管理研究会「言語政策と言語管理」分科会
お問い合わせ: 言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
研究会ウェブサイト: https://lmtjapan.wordpress.com
2021年度 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会第3回開催のお知らせ
言語管理研究会では「接触場面と言語管理」分科会の第3回を下記のとおり開催いたします。皆さまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
日時: 2022年1月30日(日) 13:30-15:30
開催形態: Zoomを利用したオンライン開催
参加費: 無料
参加申し込み: 下記のURLよりお申し込みください。
https://forms.gle/Fs9rQo9qY2ziEFFz7
参加申し込み締め切り: 2022年1月26日(水)
分科会全体テーマ:
「多文化社会における接触場面の接触性を考える」
概要:
2019年度まで本分科会では、変容する接触場面をテーマに研究上の問題提起と方法論を中心に扱ってきた。2020年度から(結果的に今年度)新たなテーマとして、多文化社会で起きうる接触場面の成立要件の1つである接触性のあり方を考えていく。
インターアクション場面の接触性には言語による外来性が大きくかかわっていることはもちろんであるが、メッセージの内容が完全に通じていても(いわゆる命題的な逸脱がない場合でも)、接触性が参加者に留意される限り、接触場面は成立し、言語管理が行われる可能性がある。
日本においては、外国人との接触が増えてきた今こそ、ホスト側にいる日本人はどのようにさまざまな「日本居住者」にアプローチしようとしているか、また、ゲスト側は長期滞在によってホスト社会に対する見方がどう変わるのか、接触性のジェネレーション・ギャップのようなものがないか、などについても検討していく予定である。
話題提供者: 武田誠 (早稲田大学)
「相互行為の当事者が認識する『接触性』」
趣旨/目的:
接触場面の当事者である会話参加者は、それぞれの管理意識で外来性を受け止め、場面ごとの接触性(contactedness)を測っているとされている(ファン2006:132)。また、参加者の視点を加えることは、接触場面であるかどうかという次元から、接触性が強いかどうかという新たな観点で接触場面の本質を探る手掛かりになりうるとの指摘もあった(同上)。舛見蘇(2016)は、当事者の緊張の度合いと関連付けて「接触性」を分析しているが、接触場面に参加する当事者には緊張度以外の感覚として「接触性」が意識される可能性もある。実際の接触場面において、「接触性」は相互行為の当事者にどのように認識され、それはどのようなことばで語られ得るのだろうか。今回の分科会では国内外さまざまな接触場面経験を持つ話者同士の対談を通し、接触場面で意識された「接触性」を当事者のことばで語ってもらうことで、相互行為の観点から「接触性」という概念への理解を深めたい。また、可能であれば、当事者の認識する「接触性」の度合いを説明するために、Jaan Valsiner流の文化心理学における「記号」という概念を試験的に援用してみたい。
参考資料(事前購読不要):
木戸彩恵・サトウタツヤ 編(2019)『文化心理学: 理論・各論・方法論』ちとせプレス
コメンテーター: ミラー成三 (青山学院大学)
主催: 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会
お問い合わせ: 言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
研究会ウェブサイト: https://lmtjapan.wordpress.com
2021年度 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会第2回開催のお知らせ
言語管理研究会では「接触場面と言語管理」分科会の第2回を下記のとおり開催いたします。皆さまお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
日時: 2021年11月13日(土) 13:30-15:30
開催形態: Zoomを利用したオンライン開催
参加費: 無料
参加申し込み: 下記のURLよりお申し込みください。
https://forms.gle/kURNzqUb5XgmaoEZ6
参加申し込み締め切り: 2021年11月10日(水)
分科会全体テーマ:
「多文化社会における接触場面の接触性を考える」
概要:
2019年度まで本分科会では、変容する接触場面をテーマに研究上の問題提起と方法論を中心に扱ってきた。2020年度から(結果的に今年度)新たなテーマとして、多文化社会で起きうる接触場面の成立要件の1つである接触性のあり方を考えていく。
インターアクション場面の接触性には言語による外来性が大きくかかわっていることはもちろんであるが、メッセージの内容が完全に通じていても(いわゆる命題的な逸脱がない場合でも)、接触性が参加者に留意される限り、接触場面は成立し、言語管理が行われる可能性がある。
日本においては、外国人との接触が増えてきた今こそ、ホスト側にいる日本人はどのようにさまざまな「日本居住者」にアプローチしようとしているか、また、ゲスト側は長期滞在によってホスト社会に対する見方がどう変わるのか、接触性のジェネレーション・ギャップのようなものがないか、などについても検討していく予定である。
話題提供者: サウクエン・ファン (神田外語大学)
「多文化社会の接触場面再考:言語管理との接点から」
接触場面(contact situation)の概念は1990年代の初頭に日本に紹介されて以来、日本語教育はじめ、留学生教育、異文化コミュニケーション、最近では社会言語学などの分野で援用され、さまざまな研究成果が積み重なってきた。本発表では、Fan (2020)、Kimura & Fairbrother (2020)の内容を踏まえながら、接触場面の研究はもともとどのような研究として展開されていたか、なぜ言語管理研究と深くかかわっているか、また、1950年代から特にアメリカで盛んになった言語接触(languages-in-contact)の研究とどのように異なるか、などの接触場面研究の特徴をあらかじめ整理し、言語管理との接点から、多文化社会における接触場面の接触性を考えると同時に、今後の言語管理研究の可能性を探りたいと思う。
参考資料(事前購読不要):
Fan, S. K. (2020) Research perspectives from East Asia: Language management in contact situations. In Kimura, G. C. & L. Fairbrother (eds.) A Language Management Approach to Language Problems: Integrating macro and micro dimensions. pp.49-67. Amsterdam/Philadelphia: John Benjamins.
Kimura, G. C. & L. Fairbrother eds. (2020) A Language Management Approach to Language Problems: Integrating macro and micro dimensions. Amsterdam/Philadelphia: John Benjamins. https://benjamins.com/catalog/wlp.7
コメンテーター: 加藤好崇 (東海大学)
主催: 言語管理研究会「接触場面と言語管理」分科会
お問い合わせ: 言語管理研究会事務局 slm.gengokanri@gmail.com
研究会ウェブサイト: https://lmtjapan.wordpress.com